第2回 酒類飲料概論2
さて、第2回です
前回の続き、行ってみましょう。
前回の問題の例題
Q.酵母の発酵のメカニズムを解明した人はだれ?
A.ルイ・パストゥール
Q.ブドウ由来の有機酸を答えよ
A.酒石酸、リンゴ酸、クエン酸
Q.ワイン用ブドウで最も糖度が高い部位は?
A.果皮の内側
Q.ブドウの病害の、べド病に対する防除対策を答えよ
A.ボルドー液を散布
Q.デギュスタシオンの手順を答えよ
A.外観⇒香り⇒味わい
ワインの醸造
①亜硫酸(二酸化硫黄)
酸化を防ぐ目的で、ワインに添加される
②酵母
ル発酵に用いられる酵母は
「サッカロミセス・セレヴィシエ」に分類される。
③乳酸菌
リンゴ酸⇒乳酸+炭酸ガス(マロラクティック発酵)
④マロラクティック発酵(FML)
主に赤ワイン
効果
1.ワインの酸味が和らげられる
2.複雑性を増し、豊潤な香りを形成する
3.リンゴ酸がなくなる⇒瓶詰後の微生物学的安定性の向上
⑤澱引き(スーティラージュ)
沈殿した澱を取り除くため、上澄みを別の容器へ移す
⑥清澄化(コラージュ)
清澄剤を使用する
例、卵の白身(粉)、タンニン酸、ゼラチン、ベントナイト
⑦濾過(フィルトラージュ)
例題
伝統的に使用されている清澄剤を答えよ
A.卵の白身、ベントナイト
発酵・貯蔵容器
①ステンレスタンク
金属製のタンクは温度管理が容易で容器が腐食しにくい。
②コンクリートタンク
③木樽
④オーク樽
1.樽育成(エルヴァージュ・アン・トノー)
主な効果
・酸素との接触
・樽からの成分抽出
・清澄化の促進
・赤ワインの色調の安定化
2.オークの種類
産地はフランス、スロヴェニア、アメリカ、ロシアなどがある
ヨーロッパオーク;タンニン多め、香が控えめ
アメリカオーク:ヴァニラ香やココナッツ香が強め
3.樽のトースト
樽のトースト熱により、樽に含まれるリグニンが分解され、
ヴァニラ香を持つヴァニリンなどが生じる
例題
Q.トロンセ、アリエ、リムーザン、ヴォージュとはどこの国のオーク材か?
A.フランス
☆赤ワイン醸造法
①選果
②破砕
③主発酵(フェルマンタシオン・アンコリック)
果醪をタンクに入れ、酵母を加える、発酵が始まる。
補糖(シャプタリザシオン)されることもある
発酵温度は30℃程度
補糖の目的はアルコール分を高めることにある
④醸し(マセラシオン)
発酵が始まると、果皮から赤い色素のアントシアニンと渋みの主成分であるタンニンが溶出する。
※ルモンタージュ
タンク上部に浮上している果帽全体に液がかかるように散布する作業
・酸素供給 ・糖分、酵母、温度の平均化 ・成分抽出
人力によるピジャージュを行うところもある
⑤圧搾(プレシュラージュ)
発酵が終わると下部からワインを抜き取る
収穫⇒破砕⇒主発酵・醸し⇒圧搾
☆白ワインの醸造法
圧搾を速やかに行い、果汁だけを取り出す
低温で半日ほどおいて不純物を沈殿させた後、上澄み部分の果汁を別なタンクに移し、酵母を加えて発酵させる
収穫⇒破砕⇒圧搾⇒主発酵
①セニエ法
黒ブドウを原料、破砕後、発酵開始前ごろに果汁を出し、発酵させる
②直接圧搾法
黒ブドウを原料として、白ブドウのように圧搾してから果汁を発酵させる
③混醸法
黒と白を混ぜる(ドイツ・ロートリング)
さまざまなワインの醸造法
①マセラシオン・カルボニック
縦型のタンクに収穫した黒ブドウを破砕せずにそのままいっぱいに詰めて
二酸化炭素を充満させた状態で数日おく方法
※色が濃い目だがタンニンは少な目
※ボージョレ・ヌーヴォーやヴィーノ・ノ・ベッロなどがある
②シュール・リー
ロワール地方で採用
発酵後、澱引きしないで年越し、アミノ酸のうまみ成分が抽出される
筆者が好きなワインもこれである。
ミュスカデ・甲州など
③スキン・コンタクト
白ブドウを破砕後圧搾の前に一定の時間、タンク等の中で、果皮を果汁に漬け込む
・スパークリングワインの製法
フランス:ヴァンムスー
ドイツ:シャウムヴァイン、ゼクト
イタリア:スプマンテ
スペイン:エスプモーソ
①トラディショナル方式(シャンパーニュ方式)
スティル・ワインを瓶に詰め、糖分と酵母を加え密閉し、瓶内で第二次発酵をする
②シャルマ方式
密閉タンク方式ともいう
③トランスファー方式
瓶内二次発酵後、タンクに開け、新しいボトルに詰め替える
その他の方式
①メトード・リュラル
発酵中のワインを瓶に詰めて発酵を瓶内で行う
②炭酸ガス注入方式
①コルク栓
1.天然コルク
産地:ポルトガル、スペイン等
ブショネ(コルク臭)
TCAによるワインの劣化
カビがTCPをTCAに変換されることにより生じる
発生率2~3%
②圧搾コルク
細かいコルクをコルク状に固めたもの
③合成コルク
そのほかの醸造法
①クリオエキストラクシオン氷果仕込み
収穫したブドウを人為的にー7℃以下の貯蔵庫で冷凍し、氷結果汁を圧搾し、得られた糖度の高い果汁を発酵させる白ワインの醸造法
②ミクロ・オキシジェナシオン
発酵中、あるいは貯蔵中の赤ワインにセラミック製筒を通して酸素の微泡を吹き込み、ポリフェノールの酸化、重縮合を促進する方法。
赤ワインの苦みを和らげるために開発された
③ノン・フィルトラシオン
瓶詰めにあたって濾過を行ってないワイン
④ノン・コラージュ
澱下げを行わずに瓶詰めしたワイン
・有機ワイン
・バイオダイナミックス(ビオディナミ)
プレパラシオンと呼ばれる調合剤を利用したりする
第2回はこんなもんでしょうか。
まだまだ先は長いよ~
間に合うかなw